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数学者・京大名誉教授 森毅氏 死去 82歳

 歯にきぬ着せぬ物言いで「一刀斎」の愛称で親しまれたコメンテーター、エッセイスト、京都大学名誉教授、森毅(もり・つよし)氏=関数解析学=が24日午後7時半、敗血症性ショックのため、大阪府寝屋川市内の病院で死去した。82歳だった。自宅は京都府八幡市西山和気6の11。葬儀は行わない。

 東京都出身。東京大学理学部卒。北海道大学理学部助手をへて昭和32年に京都大学教養部(現総合人間学部)助教授(現准教授)に就任した。46年には同部教授となり、平成3年から京大名誉教授。

 京大で教鞭(きょうべん)をとる一方で、テレビでも活躍。テレビ朝日の「ビートたけしのTVタックル」などに出演し、ユーモアに富んだコメントで人気を博した。エッセイストとしても知られ、数学者としての観点から現代人の生活を論じるなど、多数の著書を残した。

 昨年2月、自宅で調理中に胸や両腕などに大やけどを負い、半年以上にわたって意識不明に。今年1月には会話をするためのリハビリを開始するなど、闘病生活を送っていた。

「やわらか頭」核心つく発言

 「ほのぼのとした口調で率直。核心をついた発言」。24日死去した森毅氏を知る人は、数学や教育にとどまらず、時事問題、文化など、多岐にわたる分野で語った発言の数々をそう称する。京大教授時代は、ジーンズ姿で教壇にたち“名物教授”として多くの学生に影響を与えた。

 歯にきぬ着せぬ発言の一方で、偏らずしなやかな物の見方は「やわらか頭」と呼ばれ注目を集め続けた。福田康夫氏が平成19年に首相に就任した際の内閣を「モノクロ内閣」と命名。「福田内閣誕生で何となくこれまでの政治の流れが変わり、『小泉劇場・ライオンキング』といった派手で面白い政治は終わった」と厳しく突き放した。

 数学の秀才でありながら、枠にはめられるのを嫌った。論文を数本しか書かないなど教授らしくない一面もあり「論文は苦手。考えることは好きやけど、人間のアイデアなんてたいしたことはない」と飄々(ひょうひょう)と語っていた。

 京大教授時代は、大学の中庭で講義をするなどユニークな授業で有名に。森氏のゼミを受講していたという京都市の男性(41)は「好奇心をそのまま人の形にしたような人。いつでもさまざまな分野に積極的に首をつっこんでいた」。

 テレビやCMなどで共演した元法政大教授の田嶋陽子さん(69)は「収録の合間、奥様と仲良く手をつないで散歩していた姿が印象的でした」。また、講演でもよく一緒になったといい「駅で売店でおすしを買おうとしたら、ホームにもあると教えてくれた。ところがない。いつもおおらかな先生が階段を一段飛ばしで下りて売店まで買いに行ってくださった」と懐かしみ、森氏の死を悼んだ。

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