2010年7月29日
「無料化」快走1カ月 舞鶴道が交通量4・5倍
一般道の渋滞緩和や物流コストの改善を見込み、高速道路の一部を無料化する社会実験が始まってから、28日で1カ月。西日本高速道路管内の15路線24区間では交通量が最大約5・7倍増え、周辺道路の渋滞解消にも効果がみられる。一方、実験中も料金所では自動料金収受システム(ETC)や一時停止が必要なことを知らないドライバーが多く、停止バーへの接触事故が多発。お盆期間中は交通量とともにトラブルの増加も見込まれ、同社は料金所の人員を例年より約8倍近く増やして対応する。
無料化社会実験は、地方路線を中心とした全国の37路線50区間で、来年3月31日まで実施。西日本では、舞鶴若狭自動車道(小浜西~吉川JCT)▽京都縦貫道(丹波~沓掛)▽高知自動車道(高知~須崎東)-などが対象だ。
競合鉄道には不安
国交省が全国の区間で今月17~19日の3連休に調査したところ、1日あたりの交通量は実験前の週末に比べて平均で約2割増加。関西でも舞鶴若狭道で約4・5倍、京都縦貫道で約1・9倍など、軒並み2~5倍近く増加している。
舞鶴若狭道では、実験前の連休で一度も発生しなかった渋滞が3日間とも発生。一方、別の休日に並行する国道27号で調査したところ、渋滞が約3割減。一般道の渋滞緩和などに一定の効果がみられた。
ただ、観光客の流れにはさまざまな要因があり、「どこまでが無料化の効果なのか判断がつかない」(高知県)と、影響を測りかねている地域も少なくない。
一方、赤字経営が続く地方鉄道からは不安の声が上がる。舞鶴若狭道と競合する北近畿タンゴ鉄道の関係者は「(実験後)収入的には落ち込んでいる」と声を落とす。
お盆は大丈夫?
西日本高速道路はお盆期間中(8月5日~18日)、無料化区間のさらなる交通量の増加を見込む。昨年、10キロ以上の渋滞が0回だった京都縦貫道は11回、舞鶴若狭道は7回にそれぞれ増えそうだといい、「例年にない渋滞が発生する」とみている。
そんな中、懸念されているのが、通行量調査などのため通常と同様にETCを利用するか、一時停止して通行券を取る必要がある料金所でのトラブルだ。
同社は、お盆期間中の料金所のスタッフを、通常の8倍近い約390人増員。開放レーンを増やすなどして対応にあたる。
さまざまな影響を及ぼしている高速道路の一部無料化。前原誠司国土交通相は、来年度予算の概算要求にさらなる社会実験の費用を盛り込む考えを示したが、無料化の完全実施に向けた財源の見通しは全く立っておらず、先行きは不透明なままだ。
【写真説明】高速道路無料化の社会実験が始まり、料金0円が表示された料金所=京都府福知山市の舞鶴若狭道
(2010年7月29日 09:07)
Category:社会
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