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【産創館レポート】ロボットテクノロジーの可能性模索

円筒型側面の黒い小さな突起が上海万博大阪館入口に設置された「人数カウンタ」(上)とスキャナ式レンジセンサ ロボットが周囲の障害物を回避したり、人を見つけたりするための要素技術のひとつに「センサー」がある。いわば、ロボットの「目」の役割を果たすもので、北陽電機(大阪市中央区)はその測域センサー分野での世界的なメーカーだ。

 2004年に自律移動ロボット用の測域センサー「スキャナ式センサ」を開発。数キログラムある他社製品に比べ、わずか160グラムと大幅な軽量・小型化を実現し、ロボット研究者やメーカーの注目を集めた。05年に開催された愛知万博に出展されたロボットの半数以上に採用されたという実績を持つ。

 さらに新たな用途として「入退室・人数カウントシステム」を開発した。このシステムは、ポールや壁の2個所にセンサーを設置すると、その間を通った人の出入りが検知できるというもの。大がかりな設備が不要で、しかも暗闇でも利用でき、最大時速約18キロで移動したり、団子状になった複数の人が通過しても、正確にカウントできる。

 これまでに「OSAKA光のルネサンス」の会場や大阪産業創造館のロビーをはじめ、商業施設や図書館などで実証実験を重ね、実用化に向けた検知精度やデータの処理能力を上げるなどの改良を行った。結果、現在開催中の上海万博の「大阪館」でも採用され、来場者が安全に観覧するための入場者制限に利用されている。

 また、設定した範囲内にいる人の数や移動経路、滞留時間などの記録もとれるため、商業施設のシステム開発企業や情報端末メーカーなど3社と共同で、「待ち時間案内システム」も開発した。チケット売り場や銀行などで順番待ちをしている人をセンサーで検知し、待ち時間を大型ディスプレーに表示する。待ち時間に覚えるイライラを緩和できるほか、並んでいる人に対して広告表示もできる。

 試作機を展示会に出展したところ、各方面から反響とともに、新たな開発のヒントも得ることができた。

 北陽電機は今後も柔軟な発想で、異分野における積極的なロボットテクノロジーの活用をめざしている。

(ロボットラボラトリー プランナー 井村仁香)

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