2010年8月20日
【儲かるネタの宝庫・大阪産業創造館の10年】(中)和やか議論 商機探る

7月終盤のある日の午後、大阪産業創造館(産創館、大阪市中央区)のミーティングルームに「ビジネスチャンス拡大支援チーム」のメンバー約10人が集まった。同チームの仕事は、大阪市内の中小企業の商機につながる企画を提案・実施することだ。
この日は週に1度の企画会議。「この会議が、ビジネスチャンス拡大を仕掛ける産創館の大きな原動力の一つ」と、山野千枝事業部長は位置付ける。
中国人向けコーナー
「大手ドラッグストアチェーンが、大阪市内の店舗に中国人の団体観光客向けコーナーを設置する際、産創館が窓口となり、商品を募集する」。女性メンバーの一人が提案した企画に対し、チーム内で議論を戦わせながら、具体的な内容を少しずつ固めていく。
企画での産創館の狙いは、商品を持つ中小企業の販路拡大。ドラッグストア側からは、商品提案は書類ではなく、展示会形式で紹介してほしいとの意向があった。
企画を提案した女性は、展示会の会場は産創館のフリースペースを活用▽会場には長机を並べ、商品提供企業の担当者が同席▽商品は日本製に限定―など具体的なイメージを示した。メンバーからは次々と意見が出された。だが、一般的にイメージされる会議の堅苦しさはなく、メンバーは自由に発言し、雑談を楽しむような雰囲気で議論が進められた。
展示会場は、産創館のフリースペースを使うことで全員が一致。会場での企業担当者の同席については「商品を並べるだけでいいのでは」との意見もあったが「(産創館の)スタッフだけでは説明できないケースも起こりうる」(男性メンバー)ということで、同席を原則とした。
商品については日本製限定となったが、実際に店頭に並べるとなると、「POP(商品に添える説明広告)やチラシなど商品説明には中国語での対応が不可欠」との意見が出た。そこで「インターンシップなどの形で専門学校に協力してもらい、中国語対応の販促セットを作ろう」ということになった。
他業界にも展開模索
さらには今回の展示会をモデルケースに、他の業界でも水平展開できないかという話にまで及んだ。
「中国人観光客の増加に商機を見いだしたい大阪市内の中小企業はたくさんあるはず」と山野さんは強調する。
特定企業向けの企画であっても、それをベースに中小企業全体の商機拡大に結びつけようとする。この姿勢こそが、同チームの柔軟性と産創館の強みを示している。
商品の展示会は今年11月ごろに開催される予定。同チームは今後も企画会議を重ねながら、同展示会を中小企業にとってベストな事例に仕上げていく。
【写真説明】「ビジネスチャンス拡大支援チーム」による企画会議。メンバーらが徹底的な議論を展開する=大阪市中央区(香西広豊撮影)
(2010年8月20日 08:27)
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