2010年8月21日
大証金融商品 5カ月売買0 カバードワラント
大阪証券取引所が国内取引所として初めて開設した金融商品「カバードワラント(カバワラ)」の市場が今年4月以降、売買ゼロを続けていることが20日、分かった。数千円から5万円の少額資金で売買できるため、個人投資家の取り込みを狙ったが、仕組みが複雑でなじみのない金融商品だけに敬遠された形だ。5カ月間も売買のないのは、極めて異例。大証は来年1月から、売買代金に応じた取引参加者への報奨金制度を導入するなど“出血覚悟”の振興策に乗り出した。
仕組み複雑、敬遠

カバワラは、個別の上場株式や株価指数を対象に、あらかじめ決められた金額で一定期間後に売買する権利を証券化。現在の価格と権利行使価格の差額を追求する。デリバティブ(金融派生商品)を主力とする大証が平成20年9月26日、個人投資家向けの金融商品として上場した。
大証によると、上場した一昨年9月は3営業日だけで売買代金が8440万円と好調な滑り出しに見えたが、翌10月には月間1390万円、11月中も280万円に急減。リーマン・ショックの影響で、他の金融商品のリスク分散を図る動きもあり、一時は売買も持ち直し、21年3月には2億4240万円とピークを迎えた。だが、その後は売買の勢いが失速。今年3月の3240万円を最後に売買が途絶えた。
出血覚悟の振興策
売買ゼロが長期にわたる異常事態だが、カバワラは欧州やアジア市場では個人投資家を中心に定着しており、大証は「認知度さえ上がれば、普及の可能性がある商品」と判断。身銭を切った振興策を打ち出した。
大証は売買消滅の背景に、カバワラを取り扱う証券会社がインターネット専業のカブドットコム証券1社しかなく、上場銘柄数が減少していることがあると分析。年内に取り扱いを表明した証券会社などに来年1月から2年間、毎月の売買代金に応じて一定の報奨金を支払うほか、新規銘柄の上場手数料を値下げする。
さらに個人投資家に親しみやすくするように愛称をつけるなど、硬軟織り交ぜた市場活性化策で瀕死(ひんし)の金融商品の“蘇生(そせい)”を願っている。
(2010年8月21日 09:39)
Category:ビジネス
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