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「ココロコミュ」の「先生に聞こう!!」第2回公開中

 中学受験ポータルサイト「中学受験ココロコミュ」が先月からスタートさせた「先生に聞こう!!」の"第2弾"が公開されている。今回は開明中学校・高等学校の高校教頭、足立昌治さんが登場。「教師は昼間の親」という考えのもと、全ての生徒に愛情を注ぐ教育を推し進めているという足立教頭が教師になったきっかけやこれからの学校の姿などを語っている。

「ココロコミュ」で公開されている足立教頭のインタビューの要約は以下の通り。聞き手は同サイト編集部。全文は同サイト内の「先生に聞こう!!」で。

 

「ココロコミュ」の「先生に聞こう!!」第2回

デモシカ!?

――

学校の先生になろうと思ったキッカケというのはありますか?

足立

デモシカです。

――

デモシカ?

足立

あれ、今はデモシカって通じないんですかね。就職難の時代でしたからね...教師にデモなろうか、教師にシカなれないということですね。デモシカです。

 ――

 デモシカからスタートして、適職でしたか?

 足立

さてどうでしょう。最後、辞める時にならないとわかりませんよ。生徒の一生に一回しかない学校生活から沢山のことを学ばしてもらっている立場ですから、おこがましくて適職なんて言えませんね。ある意味、教師というのは生徒さんを土台にしてスキルをアップするという仕事なのかもしれませんね。因果な仕事です...。

ウソ〜!何だこの光景は

 ――

 教師生活での最も印象深い思い出を教えて下さい。

 足立

今から15年前にこの学校で初めて勉強合宿というのをしたんです。3泊4日。僕は当初、合宿反対派でした。合宿なんてしたら暴動が起きるんじゃないかと、本気で心配していたんですよ。缶詰にしたら反発も強まるだろうし...。まあ結局、成績を上げる他の方法も思いつきませんでしたし、賛成派に押される形で、参加する事になったんです。私が生まれ変わったのは2日目の晩ですね。

 ――

 何がおこったんですか?

 足立

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夜は自習をさせておりまして。私は見回りのために自習の様子を覗きにいったんです。階段を上がっていっても話している声がしない。あれ、変だなと。そうか、寝ているなぁと思って、少し逆上して部屋に行ったんですね。パッと入ったら、皆、黙々と勉強しているんですよ。ウソ〜っと。何だこの光景は...。普段の教室と全然違っていたんですよ。「条件」と「場所」を与えれば、うちの生徒は勉強するんだということを、この時、初めて知ったんですね。結局普段の教室で勉強しないのは僕らのせいだったんだと気がついたんですね。

 ――

 その光景に強い説得力があったんですね。

 足立

生徒に対する見方がガラッと変わりました。生徒の変わった姿を見て、嬉しかったんですが、帰りのバスの中が憂鬱でした。この先どうすればいいのかと思いましたねえ。結局考えたのは、週に3回自習室を8時半まであけて勉強合宿状態を作り出そうということを考えました。これは戦いでした。やればできる生徒との戦いでしたね。やればできるけど、やりたくないわけですからね...。逃げる生徒もいました。天神祭の日も8時半まではやらせていましたね。生徒が浮足立って大変でしたが、それも試練だと。

昼間の親の誕生

 ――

 これまでの教師生活で最も苦しかった事はなんですか?

 足立

担任をしながら中学開設準備をしていたころですね。

 ――

 20年前ぐらいでしょうか。

 足立

丁度その頃に飲酒をした生徒が出たんです。遠足の帰りに数人で飲酒をしよったんですが、中の一人はとくに反抗的な性格で、詳しくはお話しできませんが、当時の私は、そんな生徒は辞めてもらうしかない、という風に考えていました。そういう話を先輩にしたところ、君は愛情薄い教師だとしかられましてね。なんでとことん付き合ってやらないんだと...。お前は昼間の親やぞと、親が子供にそんな薄情なことを考えるなんておかしいやないかと...。僕は中学開設の準備を言い訳にして、無意識とはいえ、とことん付き合っていなかった自分に気がつきました。これは今から思えば、大きな事件だったなと。

 ――

 「昼間の親」の誕生ですね。

 足立

その学年の子達を卒業させる時に、保護者に教室に入ってもらいました。私も子育てに関わったということを覚えておいてほしいという話をしました。それを言えたことで、次の年の入学式からは「昼間の親」としてやりますという話をするようになりましたね。

 ――

 その失敗談も掲載させて下さい。

 足立

しかたありませんね。勉強合宿と生徒指導での失敗が私の原点ですからね。成績の良い生徒だけでなく、あらゆる生徒に情熱を注ぐ「全員主義」という考え方に繋がっています。

子どもの中身は変わらない

 ――

 今時の子どもは昔に比べてどうですか?

 足立

確かに子どもは変化しています。社会が変化しているのでね。ただね、子どもだから大人に認められたいという部分は30年前も今も同じです。叱られたら叱られたと思うのが子どもなんですよ。むしろ、叱られるのを待っていることもある。子どもを玉ねぎに例えると、時代という外側の皮をむいていったら30年前と全く変わらない中身がそこにはあるはずです。

教養主義の追求

 ――

 これからの教科教育について教えて下さい。

 足立

中学高校の教育は教養主義が重要ではないかと思っています。目に見えないけれど生徒の血となり肉となって生徒一人一人の発想を支えていくような網羅的な教育のイメージです。毎日毎日人類の歴史を考えたりしないですけれども、はたと止まった時に昔の人はこういう場合どう考えたのかなとか考える土台を作ってやりたいと考えています。

 ――

 新たな取り組みですとか、計画があれば教えて下さい。

 足立

今後はね、学校でやることは社会的な承認を得られないとダメだと思っているんです。そんな事を言うのも、昔に比べて保護者や地域の人の学校に対する信頼が弱まっていると肌で感じているからなんですよ。

 ――

 もう一度信頼を取り戻そうということですね。

 足立

そうです。そのためには、どんなことをしているのか、どんな教育をしているのかということを、保護者だけでなく、第三者にも見せていけるようなことをしなければいけない。教室の中だけ、教師が自己満足に浸ってやっているだけじゃダメなんです。

 ――

 その様な発想は企業のマネージメントなどを参考にされているのでしょうか?

 足立

それもありますが、基本的には皆の知恵です。10年前に授業見学会をスタートしたのは、開明の授業は塾の先生に見せられますかと塾の先生に挑発されたことから始まりました。

着かず離れずが子育ての術

 ――

 子育て世代の親へのアドバイスをお願いします。

 足立

中学受験を考えられている親御さんには、私立中学に子どもを送り込む意味を、もう一度じっくりと考えて欲しいですね。公立の中高一貫校が普及していくなかで、私立の意味って何かというところです。

 ――

 ズバリ何なんでしょうか?

 足立

私立中高はファミリーなんですよ。我々教員は昼間の親です。卒業生や同級生は兄弟です。

 ――

 公立は違いますか?

 足立

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私立は転勤がないですからね。私達は基本的にずっとここにいます。さらに言いますと、12歳から18歳の6年間というのは、最も幅広く勉強する時期です。そして、この時期に得た知識や経験がその後の人生の土台になると考えています。知るということは感動を呼びます。本当に感動の多い人生を歩ませるために、私立でしっかり勉強をさせてあげて欲しいですね。それと、親子関係のことについてですが。子どもは競争をさせられている...それはいいんです。ただし、お母さんも一緒に競争してしまっているというのはよくないと思うんです。

 ――

 「家族一丸となって受験に挑む」というのをよく聞きますけれども。

 足立

幼児や小学校低学年の子どもと一丸となって物事に挑むのはしかたないのかもしれませんが、中学受験期の子供に対して一丸となってはいけないんですね。小3の子どもも中学生の子どもも同じように親の言うことを聞くと思い込んではいけない。まずは勉強って面白いね、学ぶことって面白いね、ということに気づかせてせてあげて欲しい。そういう環境作りをしてあげて欲しい。

 ――

 なるほど。

 足立

モチベーションを下げることを言わないで欲しい。「この模擬試験の成績ではどこの中学もいかれへんよ」と言ったりとかね。励ましているつもりで、脅しているんですね。子どもは脅しても動きません。子どもというコップはほめると容量が大きくなっていくコップなんです。上手くほめれば、どんどん水を注げるようになるんです。子どもが大きくなるに従って、つかず離れずの距離を絶妙にとり続けること、上手な子離れが、親子関係の極意ですね。

 

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