2010年8月28日
【機先】キリンビール近畿圏統括本部長の真柳亮さん
消費低迷と天候不順で、今年上半期(1~6月)のビール市場は前年同期比で縮小した。7月以降の猛暑はビール業界への追い風になったが、消費者の嗜好(しこう)はより安価な「第3のビール」へシフト。先発の発泡酒市場を脅かす勢いとなっている。発泡酒や第3のビールなどの戦略について、キリンビールの真柳亮・近畿圏統括本部長に聞いた。(田村慶子)
第3のビールで新たな柱を
――市場縮小が進む発泡酒の状況は
「(発泡酒全体の)上半期の課税出荷数量は(前年同期比で)マイナスながら、わが社は『淡麗』シリーズが堅調に推移し、発泡酒市場の64・9%と、過去最高のシェアを獲得できた。業務用の『淡麗大樽』はブランド力が高まり、市場が縮小する中でも異例の伸びをみせている」
「ホテルの飲み放題プランで、中ジョッキのビールと同程度の価格で大ジョッキの淡麗を提供し、メガ(特大)バーガーのような感覚で好評を得ている。メーカーと流通が共存できるような、低価格に頼らない提案が欠かせない」
――アルコール分がゼロのビール風味飲料は
「4月に発売したアルコールゼロでオルニチン入りの『休む日のAlc.0・00%』の販売が好調だ。当初販売予定の2倍となる80万ケース(1ケース=大びん20本換算)に上方修正した。アルコールを取らない“休肝日”を推奨する商品として受けているが、泥酔して泳ぐと危険という認識が高まり、海やプールでの消費も増えているようだ」
――第3のビールとして7月に発売した「本格〈辛口麦〉」のねらいは
「第3のビールは家庭で圧倒的な支持を誇る『のどごし〈生〉』があるが、いつまでもトップにいられるとはかぎらない。新商品のターゲットは40代男性で、第2の柱に育てたい。初年度は400万ケースの販売予定だが、発売初日に70万ケースを出荷し、好調なスタートを切った」
――各社のシェア争いが激化する中、どう対抗する
「お盆や年末年始は中元・歳暮の需要からビールの比率が高まる傾向にあり、シェアが各社の商品構成に左右される部分もある。1年を通して高いシェアを保つには、ビール、発泡酒、第3のビールの3ジャンルをまんべんなく育てていくことだ」
まやなぎ・りょう 成城大卒。昭和54年キリンビール。広域販売推進統括本部長などを経て、平成21年から近畿圏統括本部長。55歳。神奈川県出身。
(2010年8月28日 08:05)
Category:ビジネス
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