2010年8月30日
【産創館レポート】簡単、短時間で遺伝子検査
遺伝子を調べることで、生活習慣病の治療だけでなく、将来起こるであろう病気までも予測できる。最近は自宅で「遺伝子検査」が簡単に行えるキットなどが登場し、遺伝子検査は私たちにとって身近なものとなってきている。
通常、遺伝子検査は遺伝子の抽出・増幅・検出の3段階で行われるが、従来の検査方法では検体から遺伝子を抽出するのに時間が必要で、結果を数日間も待たなければならないという難点があった。しかし、バイオコズム(大阪市此花区)の開発したDNA(デオキシリボ核酸)抽出試薬「セルイーズ」を使うと、わずか9分という短時間でDNAを抽出でき、次の段階の増幅反応に素早く進むことができる。
その特徴は、試薬の使用量を減らすことで低コスト化を実現し、検出スピードを短縮できること。クロロホルムなどの有機溶媒による精製操作が不要で、2種類の試薬と実験サンプルを混合し、熱処理を加えるだけで遺伝子の増幅が可能となる。動物細胞用、微生物用、食肉用などバリエーションも豊富だ。
このほか、数段階の試薬検査が行える「マイクロ流路リアクターチップ」という透明の小さなシリコンチップがある。これを使えば、これまで研究室で行っていた煩雑な作業がチップ1枚の上で簡単できるという。
最大のポイントは、試薬や検体の流路と検査反応をおこすくぼみにあり、そこを通る過程で複数の検査工程を一気に行うことができるわけだ。しかし、市場に投入するにはチップの標準化、コスト削減など課題も少なくないと判断した平塚哉社長は、遺伝子検査用の試験紙を開発。この試験紙とDNA抽出試薬「セルイーズ」を使うことにより、コストを抑えながら市販の妊娠検査薬のように、その場ですぐに遺伝子を調べることを実現した。
「近い将来、インフルエンザの確定診断もその場ででき、発症感染者も見逃さないようになるでしょう。ほかにも食品偽装問題や予防医療、ips細胞などの先進医療分野にも貢献できると思います」と平塚氏は自信をみせる。
(大阪産業創造プランナー 鈴木智子)
(2010年8月30日 10:00)
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