2010年8月31日
【月と太陽の物語】青山高原 "白いマントの魔女"優雅に

高原道路を囲む木々の上にスマートな風車が現れた。白い羽根を回すのは、尾根を越えて吹き抜けるさわやかな風だ。
三重県津市から伊賀市にかけて広がる青山高原には、尾根沿いを走るドライブウェイがあり、展望の良い場所からは伊勢湾や伊賀盆地などを一望にできる。
高原には32基の風力発電の風車が並び、ランドマークを形成している。風車は優雅に回り続け、白い大きな羽根が太陽の日差しをさえぎるたびに、長い影が地を走る。
月夜、同じ場所を訪れた。昼には気付かなかった、ブォンブォンと大気を切り裂く音が響いている。月光を背にした風車は、マントを翻して夜空に舞う魔女のようだ。
山上の風車群は、高原の東に位置する津市からも、西側に位置する名張、伊賀両市からも見える。この風車に月と太陽が重なる様子を狙おうというのが、今回のテーマだ。
夕日と沈む月は東から、朝日と昇る月は西から撮ることになる。月と太陽を追って山越えを繰り返す、忙しい撮影になりそうだ。
沈む太陽を追いかけ、風車と重なりそうな撮影場所を探す。山の稜線(りょうせん)、風車、建物。ファインダーのなかに風景がすっきり収まる場所を見つけひと安心。

気象が不安定になる夏の夕方、東の空も西の空も、大きな入道雲がわき上がっている。夕日をあきらめ昇る月を待った。
真っ赤な月が稜線から顔を出した。月と重なった風車のシルエットをとらえるには、早いシャッタースピードで風車の回転を止めねばならない。厳しい条件に緊張したが、見れば、ファインダーのなかで風車が回転を止めている。
点検や天候によって風車を止めるときがあるという。どうやらそのタイミングにうまく出くわしたのだった。
(写真報道局 山田哲司)
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(2010年8月31日 13:22)
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