2010年9月10日
トラ首位死守 桧山が九回同点打 竜と5時間21分ドロー
阪神2-2中日 (9日、甲子園)
◇
どんな脚本家にも用意できないようなシナリオが待っていた。5時間21分の総力戦を引き分けた阪神。「イチかバチかの試合。とにかく引き分けられて良かった」。真弓監督に安堵(あんど)の笑みが広がった。
緊急事態が訪れたのは十回だった。1死満塁で浅井の遊直に飛び出した一塁走者のブラゼルがアウトの判定に激高し、暴言で退場。九回終了時で野手全員を使い果たしていたため、守るべき野手がいなくなった。
まさかの緊急事態に、ブルペンから西村が呼び出され右翼の守備に就いた。高校以来という外野守備に「打撃練習の打球をイメージして守っていた」。ベンチも西村に打球が飛ばないよう、打者の右左が代わるたびに何度も左翼と守備位置を入れ替えた。マウンドの藤川球も「(西村に打球を)飛ばせるつもりはなかった。打者との勝負より、チームの勝ちに徹していた」。綱渡りの2イニングをしのぎきった。
首位の阪神にとっては勝ちに等しい引き分けといっていい。1点を追う九回、代走の大和が盗塁に失敗し、万事休すかと思われたが、2死から藤川俊が三塁打を放ち、代打桧山が執念の同点打。首位陥落の危機を救った。
「価値ある引き分けか」との問いかけに、指揮官は静かにうなずいた。残り22試合。チームが一丸となって白星を追いかけていくことの意味を、ナインはこの試合で確かに共有できたはずだ。(丸山和郎)
(2010年9月10日 08:44)
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