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母の骨折 辻幾子 47 パート 大阪府羽曳野市

夕焼けエッセー  近所に住んでいる78歳の母が家の中で転倒し、腕を骨折した。困ったことに、その日は私に大事な会議の予定が入っていた。イライラしながら病院に連れて行く。混雑した待合室で私のイライラはますます募る。

 やっと診察してもらえたが、処置に時間がかかり、最後に「また明日も来てください」と言われて、明日も大事な仕事が控えていることを思い出し、またイライラしてしまう。

 すまなそうに受付の女性が頭を下げてくれた。

 「違うんです。イライラしているのは自分になんです」。私は心の中で謝った。

 私が子供のころは、勝ち気でオシャレに人一倍気を使い、颯爽と我が道を進んでいた母が、年老いて数段小さくなり、肩を丸めて痛みを堪えている。そんな姿を目の前にして、私の中で折り合いがつかないでいるのだ。

 そして私自身も日々、我が子に上から目線で偉そうにしているが、年をとり、世話をかけるであろう日が必ず来るのを実感する。

 全てがすんなり自分の狭い心の中に収めきれず、あふれ出してきてしまうのだ。

 母を家まで送り、身の回りの手伝いをしていると、夕方になってしまった。帰りがけに母は、左手で作った山ほどのおでんを持たせてくれた。その香りは懐かしい。

 「折り合いなんて、つけなくていいものなのかなぁ」。大きく深呼吸をしてイライラを飛ばした。

 これからも、いつまでも、決して変わることはない親と子だ。

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