2012年1月27日
母の骨折 辻幾子 47 パート 大阪府羽曳野市
近所に住んでいる78歳の母が家の中で転倒し、腕を骨折した。困ったことに、その日は私に大事な会議の予定が入っていた。イライラしながら病院に連れて行く。混雑した待合室で私のイライラはますます募る。
やっと診察してもらえたが、処置に時間がかかり、最後に「また明日も来てください」と言われて、明日も大事な仕事が控えていることを思い出し、またイライラしてしまう。
すまなそうに受付の女性が頭を下げてくれた。
「違うんです。イライラしているのは自分になんです」。私は心の中で謝った。
私が子供のころは、勝ち気でオシャレに人一倍気を使い、颯爽と我が道を進んでいた母が、年老いて数段小さくなり、肩を丸めて痛みを堪えている。そんな姿を目の前にして、私の中で折り合いがつかないでいるのだ。
そして私自身も日々、我が子に上から目線で偉そうにしているが、年をとり、世話をかけるであろう日が必ず来るのを実感する。
全てがすんなり自分の狭い心の中に収めきれず、あふれ出してきてしまうのだ。
母を家まで送り、身の回りの手伝いをしていると、夕方になってしまった。帰りがけに母は、左手で作った山ほどのおでんを持たせてくれた。その香りは懐かしい。
「折り合いなんて、つけなくていいものなのかなぁ」。大きく深呼吸をしてイライラを飛ばした。
これからも、いつまでも、決して変わることはない親と子だ。
Tweet(2012年1月27日 13:00)
Category:夕焼けエッセー
この記事と同じカテゴリの最新記事
2012.01.26
2012.01.25
2012.01.24
2012.01.23


